ヴィシェフラドとは
ヴィシェフラド(チェコ語: Vyšehrad)は、プラハ2区に位置する地域です。
名前は「Vyše」(上方)と「hrad」(城)から成り、「高い城」を意味します。10世紀ごろに城が築かれ、当初はプラハとは別の街として発展しましたが、14世紀にプラハの拡張に伴い、南端の要塞として改造されました。
また、スメタナの連作交響詩『我が祖国』の第1曲のタイトルとして知られています。
現在、ヴィシェフラドは城跡公園として整備され、散策やジョギングを楽しんだり、丘からの美しい風景を眺める憩いの場となっています。国立墓地や教会があり、歴史的な建造物も残されています。
ヴィシェフラド民族墓地
ヴィシェフラド民族墓地(チェコ語:Vyšehradský hřbitov)は、プラハのヴィシェフラド地区にある国立墓地です。
ここには、チェコの偉人600人以上が埋葬されており、作曲家や画家、作家、俳優、科学者、政治家など、幅広い分野で功績を残した人物が眠っています。墓地内には「スラヴィーン」という記念碑的な霊廟があり、特に貢献の大きかった人々の名が刻まれています。
墓地を囲む回廊には立派な墓が並び、敷地内にはさまざまな形状や美しい彫刻が施された墓碑が整然と配置されています。広さはそれほどありませんが、よく整備されており、散策しやすいです。
スメタナやドヴォルザークといった作曲家、小説家カレル・チャペック、画家アルフォンス・ミュシャなど、日本でも知られる人物が埋葬されています。それぞれの墓碑は故人の特徴を反映しており、作家・詩人のカレル・チャペックの墓はペンの形を模し、作曲家スメタナの墓には楽譜が描かれるなど、個性豊かです。彫刻も有名な彫刻家によるものも多いそうで、特定の偉人の墓の目当てがなくても、散策を楽しめる場所です。
聖ペテロ聖パウロ教会
聖ペテロ聖パウロ大聖堂(チェコ語:Bazilika svatého Petra a Pavla)は、ヴィシェフラドにあるネオゴシック様式の大聖堂で、内部はアール・ヌーボー様式の絵画で美しく装飾されています。
聖マルティンのロタンダ
聖マルティンのロタンダは、プラハ最古の円形建築とされる建物です。西暦1100年頃に建てられたと言われています。
その後16世紀、17世紀には刑務所や火薬庫として使われていましたが、1719年に再び世俗的使用から引き離されました。しかし再び軍用として接収された歴史があります。
1875年にヴィシェフラド協会が所有権を取得し、修復工事を行い、新しいステンドグラスや鐘が扉が追加されました。
現在は定期的にミサが開催されており、予約制で内部を見学することができるそうです。
ヴィシェフラド観光情報
営業時間・拝観時間
ヴィシェフラド民族墓地
8:00~18:00
※入退場は自由ですが、夜間は施錠されています。
聖ペテロ聖パウロ教会:
4月~10月
- 月曜日、火曜日、水曜日、土曜日:10:00 ~ 18:00
- 木曜日、金曜日:10:00 ~ 17:30
- 日曜日:11:00 ~ 18:00
11月~3月
- 月曜日~土曜日:10:00~17:00
- 日曜日:11:00~17:00
チケット、入場料
聖ペテロ聖パウロ教会
- 大人:130 CZK
- 7〜15歳:70 CZK
- 16〜26歳までの学生:70 CZK
- 65歳以上のシニア:70 CZK
- ファミリーチケット:250 CZK(大人2人+子供)
- 7歳未満の子供:無料
場所、行き方
ヴィシェフラド地区のどこに行くかにより行き方は異なりますが、ヴィシェフラド民族墓地へ行く場合はトラムのVýtoň停留所を下車、徒歩10分ほどとなるでしょう。 丘の上にあるため、坂道や階段を上ります。