聖ヴァーツラフの王冠、宝珠、王笏が、プラハ城内の旧王宮ヴラディスラフ・ホールにおいて2024年9月17日から9月30日まで特別公開されていました。事前に知らなかったのですが、幸運にも公開されている期間中に訪れることができましたので、その宝物を見てきました。
本物の王冠は普段公開されておらず、厳重に保管されています。通常は旧王宮内にレプリカが展示されています。
聖ヴァーツラフ王冠の展示が行われていることを知らずにプラハ城を訪れましたが、長い行列に驚き、その日は旧王宮への入場を諦め、翌日に再訪することにしました(チケットは2日間有効)。
翌日、特別な展示を見るための行列と分かったものの、私の持っているチケット(メインサーキットチケット)で入れるのか、別途チケットの購入が必要なのかが分からなかったため、列に並ぶ前に確認しようとインフォメーションセンターに向かいましたが、こちらも混雑していて情報を得られませんでした。しばらく列の周りをうろうろしていたところ、通りかかった職員の方から「チケットの追加購入は不要」と教えてもらい、午後3時30分ごろ、ようやくプラハ城南側の通路で列に並びました。
プラハ城の南側にある半円形の展望台は立ち入り禁止となっており、ここからの景色も楽しみの一つであったため少し残念に思いました。
列はその後旧王宮南側から聖ヴィート大聖堂前の中庭へ続くBýčí schodiště(雄牛の階段)へ続きます。階段に到達するまで約40分を要し、その時点で午後4時を過ぎていました。旧王宮の閉館時間は午後5時のため、自分はギリギリ間に合いそうでしたが、後方の人々は難しそうに見えました。もしかすると、閉館時間が延長されていたのかもしれません。
階段を上り切り、聖ヴィート大聖堂前の中庭に出たのは午後4時25分。旧王宮の周囲には銃を携えた兵士の姿も見られ、ものものしい雰囲気で、ホールの入口では荷物検査が行われていました。ようやくヴラディスラフ・ホールに到着しましたが、展示されている王冠まではまだ長い行列が続いていました。王冠、宝珠、王笏の解説がされた展示を見ながら進みます。
ようやく王冠、宝珠、王笏が納められたガラスケースの前に到着したのは午後5時ごろになっていました。王冠の宝石の大きさに改めて驚きます。王冠正面の最も大きなサファイアはなんと52mmもあります。その上の赤い大きな石はルベライトです。
王冠は神聖ローマ皇帝カール4世(ボヘミア王カレル1世)の命により制作されました。金の土台にサファイア、スピネル、ルビー、エメラルド、ルベライト、アクアマリンなど91個の貴石と20個の真珠で装飾されています。カール4世は、入手した宝石を追加するなど、王冠に何度も改造を加えています。改造のためか、大きなサファイヤにドリルの穴が残っているものがあります。
ガラス越しに宝物を眺めながら写真を撮影しましたが、残念ながら反射の影響でうまく撮ませんでした。周囲の混雑もあり、長くは鑑賞できませんでしたが、目の前に広がるきらびやかな輝きに圧倒されました。